大好きな谷川俊太郎氏の詩集のような、エッセイのような。
幸せをテーマに、谷川氏の言葉が音楽のように奏でられている。
幸せについて。不幸について。
思うこと。定義。
さまざまな切り口から、語られている。
どれもこれも短い表現だから、サラサラっと読めてしまうけど。
だからこそじっくり噛み締めたい。
すぐに飲み込まず、味の向こう側にいきたい。
幸せはささやかでいい。
ささやかがいい。
不幸はいつだってささやかじゃ済まないんだから。
温度を感じてほしい。
谷川氏の言葉の温もり、不思議。
言葉を操る精霊。
精霊のおじいさま。
目の前にいなくても、その人がいると思うだけで幸せになれる。そんな「その人」がいるのは幸せだ。
この詩に関しては、ほんとにそう。
その存在を持っているのは特別中の特別で、決して当たり前じゃない。
谷川俊太郎氏に伝えたいのは「ありがとう。」です。
言葉にすると遠ざかる感情をも、届けてくれる。
届け方を教えてくれる。そんな素敵な1冊です。
著書『幸せについて』 著者 谷川俊太郎
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