全力でぶつかっていき、子どもの全てを受け入れるそんな校長先生がいた。
青空小学校の木村康子先生。
この先生の何がすごいかって。
先生も間違える。って子どもの前できちんと言えること。
そして、やり直す姿勢を見せること。
失敗してもいい。そこから次どうすればいいか考えて、またやってみればいい。
子どもは不安でいっぱいだから。
どうやっていいかわからない。
なかなか思うように行動できないし、持ち合わせてる言葉も多くない。
相手に真意を伝える言葉の使い方も知らないから、そのせいで喧嘩になったり、傷つけたりする。
トラブルになったときは、双方に考えさせ、どうすれば問題を解決できるかを話し合わせる。
大人が介入しすぎないことが大切で、じゃあどうすればいいと思う?と問いかけの姿勢で見守る。
本人が納得もしていないのに、大人が謝らせてる姿は多くみられるが、それは何の反省にもなっていない。
本人に徹底して考えさせること。
そこの教育法に共感する。
木村先生は、その子がやりたいようにやらせてみるし、うまくできようが、失敗しようが、挑戦したことや前に進めたことを認めてあげる。
できたやん!すごいやん!て。
失敗したって、全然平気。むしろ失敗させてほしい。
だって、大人になったら失敗の連続だし。
そこからどうするかが本人の力の見せ所。
だけれど、学校でこれを実行できているところはどれだけあるだろうか。
どんどん失敗していい。って。
みんな正解ばかりを求めて、教育していく。
自ら考える力、自分をコントロールする力を身に付けさせてほしいのに。
それをするには、腹を括って子どもと向き合わなければいけない。
見守る先生やボランティアの方々や、地域のサポートが不可欠で。
担任だけでどうこうするってのはどだい無理な話。
マンパワー不足。
でも大空小学校は、やってのけてる。
何がどう他の小学校と違うのか、教育委員会や校長先生方は学んで、実践してほしい。
もう一つ、何がすごいかって。
子どもたちの力。
大人が一人一人違っていいと、多様性を認めることで子どももそれを学び、行動に変えていく。
それは、人間だもの違って当たり前というできそうでできない思想を、教師全員が共有しているから。
勉強だって、運動だって、できる子もいるし、できない子もいる。
みんな違ってみんないい。
多様性を受け入れる大切なことを学べる小学校。
めんどくさいことを、腹を括って真正面から向き合う先生方。
めんどくさいことは嫌悪して当たり前なのに、先生方も全員で助け合い知恵を出し合って問題を解決していく。
『ほんとうのことは親には言えない』 著者 木村康子
素晴らしい本です。
最も感銘を受けたのは、大人たちの子どもから学ぼうとする姿勢。
子どもは大人が思っているより賢いし、きちんと考えているし、意志もある。
大人がハッとさせられることもたくさんあるし、なんなら、大人が教えることより教えてもらうことの方が多い。
子どもも大人も共に成長していくそんな学校。
実際のエピソード満載で、体験に基づいた教育思想を学ぶにはこの上ない良書だった。
ぜひ、読んでほしい。