友達に体の不調を訴える人がいる。
私はパニック障害を持っている。
症状からして心の不具合だろうなと察しはついた。
ついたけれども、それが詳しくは何がどうなってそれを引き起こすのか。
そうなった時の対処法は何なのかを知りたくて本書を手に取った。
中学生向けというだけあり、初歩の初歩の内容。
具体的に統合失調症、うつ病、躁うつ病、転換性障害、PTSD、摂食障害、社交不安障害、発達障害、認知症などの症例が載っていてどんなふうに困っているのかがわかる。
その知識を持っていたら、自分の周りにこういった言動の人がいた時に気づいてあげられる。
もしかしたら?と寄り添ってあげられる。寄り添うことがどれだけ安心できるか、何もしなくてもそばにいること、それだけがどれほど助けになるか、私は身をもって知っている。
だから、自身もしくは知人が体がなんかおかしい、、、内科的ではない、一体これは何だろうって思ったらまずこの本を一読してほしい。
もしかしたら、、が見つかるかもしれない。
そのもしかしたらが当てはまったら、次はその病気の詳しい本を探せばいい。
中学生向けだけども、心の病の入り口としては読みやすいので大人にもオススメ。
そしてもし、内科では解決しない症状があるのなら、深く考えずに精神科や心療内科に行くことをオススメする。
最初の一歩が踏み出せないのはよくわかる。
けども、実際行ってみた感想は「なんだ、内科と変わらないじゃん。もっと早く行けばよかった。」だった。
精神科には行ったことないけれど、心療内科には以前通院していた。
どちらも話を十分に聞くところからの診察であり、後に薬を処方される。
精神科と心療内科の大きな違いは、心療内科は内科の一種だから身体診察をよくするらしい。
実際に血圧測定と血液検査をした。
内科は風邪で行くけれど、心療内科や精神科は心の風邪で行くような感じ。
気構えなくていい。歯医者も内科も耳鼻科も心療内科も何ら変わらなかったよ。
心の不具合を持つ人は、周りに理解されずらいから、このつらさは誰にもわかってもらえない。と思いがちになる。
心療内科に行く前は、知らなかったから私もそうだった。
しかし、医者は良く話を聞いてくれるし、問題解決の糸口を探してくれようとしてくれる。
このつらさをわかってくれる。というだけで、心がとても安心する。
この共感や安心をなめちゃいけない。
これがあるからこそ、よくなりそうな気がするのはまちがいない。
もう一つ、この本の中には、「障害の社会モデル」という考え方がある。
社会の方が勝手に何かしらの基準を作り、ある特定の人達を排除しているせいで、その人達が障害を持っているように見える、ということ。
なるほど!この考え方には深く共感する。
〇〇ができない、に線引きされる基準の一つとして多くの人ができるから、というだけでマイノリティになってしまう人達は、何の規制も制約もない世界に生きられたら、〇〇障害なんて言葉はつかないんじゃないか。
その線引きは勝手に人間が決めてものであって、何が正解で何が間違いかなんてないのではないか。
背が高い人ばかりの国では、ほとんどの物がその人達仕様に作られるけど、背の低い人が障害があるわけではないように。
マジョリティとマイノリティの差は、ただの比率であってそこに起きる差別云々、なくなればいい。早くなくなれ。