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皮をかぶっている人間たち。

この世界はどこかが変な人でできている。

多様性を認めよ、多様性を受け入れよ。とよく聞くけれど。

自分がマイノリティの一人でなければ、受け入れたくてもよくわからないのである。

現実がそうなのである。

自分の想像力が及ばなくて、え?なんで?やだ、きもちわるい。で敬遠されるのが事実、現実。

相手のことを決めつけて、踏み込まないズルさというものは確かにあって、そうやって知らず知らずのうちに相手を傷つけていることがある。


嫌われたり否定されたりするのが怖いから、「どうせ分かってくれない」と話さない。


でもそれは、相手に対して「こういう考え方しかできないんだろう」と決めつけているということだ。


言ってみないと、ぶつかってみないと、本当はどうなのか分からないのに。


でもそれを恐れる主人公の気持ちも、分かる。否定はできなかった。


傷つけるのも、傷つけられるのも怖い。


踏み込まない代わりに、踏み込ませようともしない。


その他人との距離感がリアルだった。

少しずつ歩み寄ってはいるけれど、みんながもっと自分の「私はこうだよ。これが好き!好きなのっ!」くらい強めにを声高に叫べば、自分も認めてもらえる代わりに相手も尊重できるような気がするんだけどなぁ。

誰しも自分の中に必ずマイノリティな部分を持ってると思うし。

そこを自分が肯定してあげるだけで、人の変な部分に優しくなれるはず。

人間なんて、変な生き物に違いないのだから。

私は普通。って皮、もう脱いだらいい。

著書 『ブラザーズブラジャー』 著者 佐原ひかり 

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