胸の内にあるたくさんの思いについて。
できるだけ生真面目に向き合おうとする。
本が好きな人ってそんな性格の人が多いんじゃないかな。
それに相まって、本の話になると普段と全然違う表情をする。
だから、なんとなく近しい感覚があって、出会えたら嬉しくなる。
本を閉じ込めている迷宮に、1匹の猫と引きこもりの高校生と聡明な学級委員長が迷い込み、真実から嘘を暴いて本を開放する物語。
本を読む意味、得た知識を自分のモノにする方法、ファンタジーの中に真理を滲ませるストーリーが、軽くサラッと読むのに心地よい。
時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの書物を読めば、お前はたくさんの心強い友人を得ることになる。
どれほど多くの知識を詰め込んでも、自分の頭で考え、自分の足であるかなければ、すべては空虚な借り物でしかない。読むのはよい。けれども読み終えたら、次は歩き出す時間だ。
夏木書店を営むじいちゃんの、本を愛するが故の厳しい言葉。
しっかり咀嚼して自分の血肉にしたい。
愛してるからこそ、紡げる言葉ってある。
歪んだものが少しでも真っ当な姿に戻るのだ、という信念のもと魅力ある書物を一人でも多くの人に届けるために、夏木書店を営んでいるじいちゃん。
こんな店に行きたい。
こんなおじいちゃんなら、絶対会ってみたい。
本を愛し、書店にこよなく通い、いつか自店を持ちたいというささやかな夢を持つ人におススメしたい。
読んでほしい季節は、冬の朝。アッサムティーを1杯、飲んだあとに。
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