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小さな島では女性が歴史を作る。男には権限なし。東京も早くそうなれと思えた本。

流れ着いた島では[ニホン語]と[女語]、二つの言語が話されていた。

彼岸花の咲き乱れる砂浜に倒れ、記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので宇実と名付けられた。

ノロに憧れる島の少女、ヨナと、[女語]を習得している少年タツ。

そして宇実は、この島の深い歴史に導かれていく。

参考文献から推測するに、おそらく沖縄、与那国島と台湾の歴史をなぞった物語だと思うが。

その辺の歴史はあまり詳しくないから、物語に吸い込まれるようにして、過去の島の出来事のさわりだけでも知れた気になる。

静かな物語という印象で、女語とニホン語という同じ所に住みながら言葉が違う、その様が方言のようなものなのかなと。

青森とか奥地の方に行くと、何を言っているのか全然わからない言葉だし。

言葉のおもしろさも、味わえる作品であった。

エンタメ系の小説に飽きていたので、こういう文学系はしみじみと読み進められて心地が良い。半日で読了した。

言葉に興味のある方に、お勧めしたい。

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