舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。
最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。
それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。
テーマは「人間の本心」。母の死への息子の本心、母から見た息子への本心、母の昔の愛人への本心、同居してる女性への愛なのか、情なのかの本心、友人の行動に対する己の本心。
様々な出来事のなかで、本心とは一体なんなのか。
それって、本当に思ってること?これってAIが作り出したプログラミングなのでは?
人間の脳が作り出した本心とAIの生み出すものって一体どこが、何が違うの。
受け取る方の心持ちで、それってまったく真逆にも捉えられる。
人の心ってなんなんだろう。
このあたりが好きな人に、お勧めする。
心理的な描写が果てしなく繊細で、平野啓一郎氏の著書の中でもやはりずば抜けておもしろかった。
リンク