「子どもをいつ手放すか、逆算しながら子育てをしよう。」
これって、目から鱗。というか。
ハッとさせられた。
この考え方だと、そのためには今何が必要かの優先順位がわかりやすくなる。
子育てってどこが目標なんだろう。の問いに答えてくれる数少ない教育本。
常識を疑って自分で考えることの大切さ、全てを鵜呑みにしないで、疑ってかかる。
自立ではなくて、自律。
自分をコントロールする力を身につけるために、学校に行く。
社会に出て生きていくためには、自律する力が必要で。
勉強云々ではなく、もっと本質的に大切なことを記してくれている。
たとえば、これ。
1等賞は称えない。
娘がなんでも1番を取ってきたら、それはもう「すごいね!」って褒めたいところだけど。
その褒め方はあまり良くなくて、「すごいね。どうやったの?」とか、「どこを工夫したの?」など。
プロセスに注目して褒めること。
これを続けていくと、対他者ではなく対自分。
自分の中でなにをどうやったらこうなった。が明確になり、いざ問題が起きた時に解決する能力が生まれる。
とても具体的で、おもしろい視点!
逆に何かを注意したいときの言葉がけは、こちらのページをどうぞ。
あとは、これもある。
『子どもの問題は大人が勝手に作っている。』
たとえば。小1プロブレム。
これは、小学生に上がったときにじっと座っていられない子や、集中して聞けない子などをあげて、大人が勝手に問題化してつけた名前である。
海外はそもそも、小1なんてじっと座っていられないものだ。というのを前提に、椅子の工夫をしたり、授業をつい座って聞き入ってしまうおもしろいものにしたり。
問題を問題としない。
不登校も、学校に行くのが当たり前の価値観だから、不登校は良くない。と勝手に大人が決めているだけで。
そもそも学校は、大人になるための一つの手段にすぎないっていう認識なら、他にも手段はあるはずで。
「不登校」なんて言葉が存在しないはず。
私自身、一冊の本を何度も何度も読み返す方ではないけれど。
この本は、自ずとまた開いてしまう。
親と子供の関係、先生と生徒の関係、友達との関係。
具体的な問題や考え方、対応が書かれていて、それは綺麗事ではなく、36年教員をやられた著者だからこその知見で。
自分の子育てのモットーにリンクしていて、とても共感するし深い学びになる。
ここの中学に行かせたいと思うくらい。
著書に書かれているのは、千代田区立麹町中学校です。
現在は、横浜創英中学・高校の新しい校長として赴任されているそうで。
工藤勇一先生の教えをもっと教育分野に広めていってほしいと切に願います。
同じような教育のあり方の学校、近くにないかなぁ。
『子どもが生きる力をつけるために親ができること』 著者 工藤勇一
この著書は教育関係者、子育てをしているすべての方に読んでほしい。
みんな違って、みんないい。
障害がある子もない子も、同じ場所で学ぶインクルーシブ教育の大空小学校も素敵だし。
この考え方にも深く共感する。
もっと広がるべきだと思う。